2010年9月アーカイブ

第三者による高齢者の介護という概念は、元々は存在していませんでした。基本的に、昔の日本では親の世話は子がするのが一般的でしたし、それが難しい場合は病院、老人ホームといった施設で世話をしてもらうというのが通常だったようです。

その一方で、高齢者へのサービスをもっと充実させようという動きも徐々に見えはじめ、1950年代から60年代ごろになると、「家庭奉仕員」という職業が誕生します。これが、ホームヘルパーの原型となった職業です。自治体が福祉サービスの一環として、各家庭に必要に応じて派遣していた家庭奉仕員は、長期入院が困難な経済状況の家庭を中心に利用され、その需要を伸ばしました。とはいえ、まだまだ社会福祉としてはあまりしっかり定まっておらず、社会的地位の確立も不完全だったことから、発足当時のサービスの質、人手はかなり安定感を欠いていたようです。

ホームヘルパーという言葉が生まれたのは、1989年に発足した「ゴールドプラン」という福祉公的サービスの中です。
このゴールドプラン内に、ホームヘルパーという言葉が使われて以降、一般にも認知されていくことになりました。
そして、高齢化社会という問題が深刻化してきた90年代末期から00年代初頭にかけ、多くの人が耳にする機会が増え、現在に至っています。

家庭奉仕員の誕生からホームヘルパーが生まれるまで、実に30年もの年月がかかりました。これは、経済成長期にあって、あまり福祉というものに力を注いでいなかったことが要因と思われます。いくら経済的に順調だったとはいえ、各家庭がホームヘルパーのようなサービスをあまり必要としていなかったというわけではないでしょう。

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